コレクション: 浅田漆器工房

山中漆器/浅田漆器工房
使うたびに変化する器。

浅田漆器工房について
石川県山中温泉にある浅田漆器工房は、伝統的な木地挽き(ろくろ挽き)から漆塗りまで、漆器製作のすべての工程を手作業で行っている工房です。国産材を使用し、暮らしを豊かに彩る、親しみやすい山中漆器を生み出しています。
「漆器を通して木の温もりを感じていただきたい」という理念。
浅田漆器は、伝統と現代性を両立させながら、何世紀も受け継がれてきた技法を忠実に守りながらも、現代のライフスタイルに合った新しい形を模索し続けています。

創業者・浅田恭作が山中温泉郷大内村で木地挽物の技術を学び、木地師としての道を歩み始めたことから物語は始まります。10人の弟子を育てた後、長男の浅田孝雄が後を継ぎ、兄弟たちと共に山中漆器の発展に大きく貢献しました。
1977年、隆夫氏は浅田漆器工房を設立し、素材、技術、美しさの調和を保ちながら、誠実さと熟練の技に基づく伝統を確立しました。
浅田漆器工房では、山中漆器独特の「ろくろ」技法を用いて、丁寧に木地を削り出すことから、一つひとつの器が生まれます。拭き漆、目はじき、そして希少な「むらくも塗」など、様々な仕上げ技法を駆使することで、多様な表情が生まれます。木の温もり、漆の深み、そして使い込むことで生まれる繊細な変化。これらが、それぞれの器に息づいています。

SUWARI — 船の優しい揺れ

スタジオの代表的な作品の一つがSUWARIです。
一枚のケヤキ材から分厚く削り出されたSUWARIは、丸みを帯びた台座が優しく揺れながらも、素材の重みで常に垂直に戻るように設計されています。
「SUWARI」という名前は、ワイングラスやウイスキーグラスを回転させて香りを引き出す優雅な動き「スワーリング」にインスピレーションを得ています。この器の繊細でリズミカルな動きは、この優雅な動きを想起させます。
側面には、和ろうそくの煤を使った卓越した村雲塗(むらくもぬり)技法が施されています。漆が固まる前に煤を閉じ込めることで、漂う雲や揺らめく炎のような幻想的な模様が浮かび上がります。
使うたびに少しずつ見た目が変化します。
白いものは優しい光沢を放ち、朱色はより深く深みのある赤色へと変化していきます。これは、使う人の日々の生活やお手入れを反映した変化です。

山中漆器について

あなたの丁寧な暮らしが器の美しさを育みます。

石川県には、日本三大漆器産地があります。
輪島は漆芸、金沢は蒔絵、山中は卓越した木地挽物の職人技で知られています。
なかでも山中漆器は、柔らかな手触りと美しい木目が際立っており、まさに日本の生活工芸の真髄を表現しています。
特徴は、木目に沿って木を彫っていく「縦木取り」という技法にあります。
この技法は作品の強度を高め、一本の丸太から作れる器の数は少ないものの、耐久性と繊細な造形を両立させます。この技術から、山中陶芸独自の技法である加飾挽き(かしょくびき)や薄挽き(うすびき)が生まれました。
山中漆器を代表する「拭き漆」は、生漆を木の奥深くまで擦り込み、何度も拭き取ることで、木目本来の美しさを際立たせます。漆は表面のわずかな凹凸さえも浮き彫りにするため、山中の職人たちは自ら鉋(かんな)を鍛造し、刃の形状や硬さを個々の手触りに合わせて調整します。この道具と手作業の繊細な調和が、山中漆器の独特の個性を生み出しています。
時間が経つにつれて表面はより光沢を増し、手に自然にフィットし、
使う人それぞれに合った美しさを育みます。
職人と木材の真摯な対話から生まれた、
山中漆器は、暮らしの中で完成していく工芸品です。